制作・演奏する音楽からなるべく自分の存在を剥ぎ取り、ただ空間に顕れては消えていく音響を作り出したいと望むも、現実には僕の性分、技術の限界、そして何よりも「うまい具合に聞こえていて欲しい」という欲求から実際には離れることができないでいるのだけども、その根本的な問題に気がついた。
かたんと一筋におもふも病也
兵法つかはむと一筋におもふも病也
習ひのたけを出さんと一筋おもふも病
かからんと一筋におもふも病也
またんとばかりおもふも病也
病をさらんと一筋におもひかたまりたるも病也
何事も心のひとすじにとどまりたるを病とする也
この様々の病みな心にあるなれば
これらの病を去って心を調うる事なり
兵法家伝書 – 柳生宗矩
ジレンマや不具合を感じてもそれを頭に留めないこと。
今鳴っている音と対峙すること。