モーニング・コール

昨日は僕が敬愛するバイオリンの師匠の誕生日だった。夕方本番を二日後に控えた楽譜が入った封筒が届き、開けてチェックをしてみたところパート譜はないし内容もかなりの間違えだらけ。「これは大変なことになるよ~」とイベント会社にメールを送り、ゆるゆると日本酒を飲みながら「さて、師匠に電話でもしておくか・・・」とボケッとしていたところ、イベント会社の人から「楽譜に問題はないはずですよ~。マーエダさんは”1st violin”というところを弾けばOKですよ~!」とのメールが届いた。

あのなあ、どこを弾けばいいか位はわかってるんだよ。
1曲8ページ以上弾き続ける楽譜をどうしろっていうんだよ・・・。

ウィスキーを片手に不毛なメールのやり取りをすること1時間。誕生日を祝うにはふさわしくない心持ちとなってしまったので、電話をするのは朝起きてからにすることにした。

そして今朝。

6時ごろから「そろそろ電話するかねえ」と考えていると、義父が寝室にやってきて「外人さんから電話だ」という。

わかってたんだ。
最初からこうなることは知っていたんだ。

「ハロー!誕生日おめでとうだよ~!」
「なんで私だとわかったんだ?」
「こんな朝早くから電話してくるのは師匠に決まってるよ~!」
「朝早く? 今昼の1時だろ?」
「違うよ~!朝の6時だよ~!」
「だって今こっちは夜の11時だぞ。日本とインディアナの時差は14時間だろ?」
「そうだけど・・・。あのさ、先生は今スウェーデンにいるんじゃないの?」
「・・・・・」
「酔っ払ってるの?」
「・・・少し」
「何はともあれ、誕生日おめでとうだよ~!」
「いいから、さっさと起きて練習しろ」

毎年、自分の誕生日になると自分から電話をかけてくる人っていうのは、僕の周りには師匠しかいない。ぜひ来年は僕の誕生日に師匠に電話をかけて起こしてあげようと思う。

今日は普段よりも少しだけ丁寧に練習した。