アクロバット的三段論法

「人を見かけで判断してはいけない」なんてことを言う人がいるけども、それはそうだとしても最初にある人が視界に入ったときの印象というものは確実にあるわけで、印象を持ってしまったことについていちいち反省していては雑踏を歩くことは不可能になり、「僕は判断はしてないよ。これは印象だよ」と前置きをしなくてはいけないのにも辟易としてしまうけども、つまりそういう意味での「外見以外の情報が与えられていない状況」では「うわっ、ちょっと友達にはなりたくないなあ」という感じの人達が10人ほど、新宿の南口で何やら演説をしているのを見かけた。

いや、演説をしていたのは一人だ。残りはビラを撒いたり、うつろな目をして呆然と立っていたりしていた。

しかし外見だけで判断をしてはいけない。とりあえず信号が変わるまでの間、40秒ほど彼らの言説に耳を傾けてみた。滑舌の悪いスピーチから理解できたことは「我々はヘイトクライムを許さない」「だから日本の国旗なんか掲げるな」「ついでに外国人に参政権を与えろ」

なるほどね。

つまり彼らにかかればこんなことも言えるわけだ。「我々はバレンタインデーが嫌いだ」「だからチョコレートは食うな」「ついでにうまい棒をもっと長くしろ」

お前らアホだ。
外見そのままだ。

ビラを渡しに来た中年のおっさんにウィンクしたら、目をそらして他のところに行ってしまった。