ヒロシマのバラ

まさに「異形」という言葉がぴったりあてはまる、カーニバルなコンサートを繰り広げるブラジルのシンガー、ネイ・マトグロッソ。作詞もしない、作曲もしない、MCも行わない、歌と奇怪な動き、そして化粧によって見るものを他次元空間に誘うこの人、もうすぐ還暦だというのに、未だにバリバリとトリックスターを演じ続けている。彼によって世に広められた1973年のヴィニシウス・デ・モラエスの作詞による名曲「ヒロシマのバラ」。非常にシンプルで短くて美しくて、それでも失われることのない怒りがただよう作品だ。

南米には1945年の原爆についての歌がいくつかある。
そして沢山の人がそれらを歌うことができる。

このような種類の悲劇を忘れないでいようという意志がある時、式典よりも、献花よりも、黙祷よりも、折り鶴よりも、募金よりも、署名活動よりも、小学生の作文の朗読よりも・・・、誰もが口ずさんだり呟いたりできる歌や詩の方がずっと有効なんだろうと思う。

Rosa de Hiroshima

Pensem nas crianças mudas, telapáticas
Pensem nas meninas cegas, inexatas
Pensem nas mulheres rotas, alteradas
Pensem nas feridas como rosas cálidas
Mas so não se esqueça da rosa, da rosa
Da rosa de hiroxima, rosa hereditária
A rosa radioativa estúpida e inválida
A rosa com cirrose a anti-rosa quálida
Sem com sem perfume sem rosa, sem nada

音を失い、心で通じ合う子どもたちのことを考える
光を失い、形が崩れた幼い少女たちのことを考える
はぎとられ、変えられてしまった女性たちのことを考える
燃えるバラのようなけが人たちのことを考える

でも忘れてはならない、バラのことを、バラのことを
広島のバラ、受け継がれるバラのことを
放射性のバラ、愚かで、役立たず
肝硬変のバラ、反原子のバラ
色はなく、香りもなく、バラ色もなく、何もない…