「幾何学的音楽」なんていう日本語、あるいは”Geometric Music” なんていう英語は存在しないけども、スペイン語で “música geométrica” という言葉が指す技法、理論は音楽を勉強すればスペイン語圏では当たり前のように取り扱われる。
なぜそのような差があるのか?
知りません。
初めてそのような表現を聞いたとき「なんですか?それは?」と尋ねると、作曲家の友人が紙に「0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34…」と書き始めた。「ああ、フィボナッチ数列ね。わかった。バルトークのあれね」と理解したのだけども、未だにこの技法を日本語でなんと呼ぶのか知らない。バルトークは「弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽」の一楽章で小節をフィボナッチ数で黄金分割的にコントロールをしたのだという説があって、一般的に音楽学校ではこれを通説として教えたりしているのだけども、本人はそのようなことを述べたことはない。
ところで、この数列を音高のコントロールに使えないかと昔から考えているのだけども、例えばピアノの鍵盤にこれを当てはめると少々不都合なのだ。せいぜい9つくらいしか音が使えないし、音域によって音が密集したりバラけてしまうのは不自然だ。
そこで周波数と対応させるとどうなるだろう?と以前から考えていた。これならば高音域に行くに連れ半音の差によってその数値の隔たりが増加するから、案外素敵な音列ができるのではないかね?って感じで。だけど世の殆どの人の人生がそうであるように、僕も雑用に追っかけられて生きているものだから、「それがそんなに素晴らしい音列を創りだすのならば、もっと優秀な人がとっくに交響曲とかR&Bに仕立て上げているに決まってるじゃないか。ボケ!」という内なる声に従いやってこなかったのだ。
でも、思い立って今朝やってみた。
C-A-F-C#-A-F-D-Bb-Gb-D
つまらん。減5度、長短6度の近似値しか出てこない。
内なる声は正しかった。
時間を無駄にしてしまった。