技術料

先日、誰もが知っている天ぷら屋の板前と酒を飲んでいたときに聞いたこと。

例えばランチののとき、安いセットのような場合には冷凍の魚なんかを使うという。それでも生の食材と変わらない仕上がりになるように心をこめて揚げた場合、たまに「これなんていう魚?」と聞いてくる客がいるらしい。

「キスです」
「ふーん。おいしいからもう一匹追加」

客が美味しいといったのは冷凍のキス。それが好きならば、それをもう一度お出しするのが筋というもの。ところが単品メニューになると少し値段は高くなる。もともと生の食材を使用するからだ。

「詐欺のように聞こえるかもしれないけどね、私はそれが技術料だと思ってるんですよ。私の給料が変わるわけじゃありませんが・・・」

「ああ、そんなものだなあ」と納得した。

技術は条件が悪い時に、最もその威力を発揮する。